書物宮
□凍える掌
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「では、私はシャカと約束していますので、宝瓶宮に行って来ますね」
「ああ、こちらは任せておけ。ミロが出てくるまで待ってみよう」
拳を握り言うアイオリアにムゥは微笑み
「早く出てきてくれるように、私たちも頑張りますよ」
アイオリアは満面の笑みで頷いた
背中を向け、宝瓶宮に向かう、
(カミュはどうしてしまったのでしょう…)
急がねばならないが疑問も残る
何故帰ってこようとしないのか?
宝瓶宮に着くと、シャカが瞑想していた
「ムゥ…来たかね。」
「オセェ」
「デスマスクまで来て…アフロディーテまで」
腕を組んで二人で不敵な笑みを浮かべている
「何だか、五月蝿い奴が大人しいと心配だって、デスが言うからね。」
「俺が言ったんじゃねぇよ…シュラの奴が協力しろってな」
「なるほど…感謝します」
「で、どうなんだ?カミュは見つかったのか?」
壁に寄りかかり腕を組んだシュラが訪ねてくる
「ある程度の場所は行きました、後は…冥界…位しか思い浮かばないです」
「それって…」
「コキュートス…かよ」
「しかし…今まで回った所でカミュの小宇宙を微かに感じたのです…あちらには居ないのか、見落としてしまっているのか…」
考え込むムゥ、
「んじゃ、俺が平坂まで行っとくか?」
「デス??」
「アッコなら庭みたいなもんだから、おめぇらより隅々まで探せるぜ?」
「偉く積極的だな」
「一番無難だろ?それに山羊が俺をたよるっちゃあそれしかねえだろ」
「見抜かれていたか…まあ言って来い」
「僕はココで待ってるから行っておいでよ」
アフロディーテは笑顔で手をヒラヒラしている
デスマスクは一瞬舌打ちするが、聖衣を纏うと何も言わずに消えた
その様子を見ていたムゥとシャカも顔を見合わせ、
「では、私達は念の為、コキュートスに参ります。後は頼みましたよ」