四天宝寺

□あれ、これってデジャヴ??
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蔵)「エクスタシッ」


『なあ、大丈夫??』

…な訳が無い。

四天宝寺テニス部部長、白石蔵ノ助は絶賛風邪引き中や。

何故あたしがコイツの看病をしているかと言うと、ズバリ押し付けられたから。












白石が学校休んどって、理由聞いたら風邪やって。
『ふーん』っちゅーて、普通に部活しようとしたら携帯に電話かかってきた。
意味不明な変態発言をされたので即行で切ったけど、
ハァハァ息が荒かったんは風邪のせいやと思う。
(ここでは敢えてその発言を紹介しないでおく。
普通の状態じゃなかったとはいえ、読者様が幻滅せーへんように。)

その後、部員の携帯が一気に鳴り出して、「夕葉を渡せ」と脅しのようなメールが一斉送信されたらしい。
ちなみに白石の家は今誰も居らんで1人闘病中とのこと。



そこでまた、いらん事に、ヘタレの謙也が「後が怖いから行けや!!」と言ったのをきっかけに、
あたしは部活(テニス部マネージャー)を休んで白石の看病をすることになった。
後から「あんだけ送ったのに誰も気づかん事は無いやろ?」と言ってくるのは目に見えているらしい。



『(ホンマ、謙也シバく!!)』

と思いながら白石宅に到着した。


インターホン押して、上半身裸で出てきた白石をシバいたろか!!と思った。
風邪やから一応許すけど、普通の状態やったらあたしは多分一発殴ってると思う。

『風邪なんやからあったかくしときぃや。』
と言って、パジャマの上着を着せる。



ベッドに入っても白石は「エクスタシッ」というくしゃみをしていた。

『大丈夫?』と心にも思ってない事を言って、(本心は『看病とかさせよって何様や』)
冷蔵庫を開ける許可を取った。病人が食べるようなモンが無い…。

先に言ってくれたら買ってくるのに、また買い物に出なければならない。
『何か買ってくるけど食べたいモンあるー?』と聞いたら、チーズリゾットと返答された。

結構元気やないか、



病人と言ったらポ○リやろ。
…あ、でもアク○リの方が安い。
こっちにしよ。

…ちゅーか、これはあたしが払うんか?
それとも後で白石に請求するべき?
いやいや、行けっちゅーた謙也に請求しよ。






あたしは買い物を済まして、結局チーズリゾットを作った。

我ながら上等やろ、とか思いながら白石に食わせた。
面倒やったけど、病人なんやからしゃーないと我慢して「あーん、」もしてやった。





そして部活を終えた部員が来た。

財前しか来てくれへんかったけど。



白石の部長としての人望を疑った。

『(コイツが部長でええんか、)』
と思ったのは言うまでも無い。



謙也とか、友達とちゃうん??

人には行けっちゅーて何なんアイツ。

やっぱアイツにアクエ○代とチーズ代と桃缶代とゼリーとかプリンとか、その他もろもろを請求することを決定した瞬間やった。


そもそも、財前も「別に部長のためやないッスわ。」とか言ってた。

白石が不憫になった。マジで。



光)「調子はどうなんスか、」

蔵)「エクスタシッ、…まだくしゃみが止まらんのや。」

光)「え、今のくしゃみなんスか。」

蔵)「おん。」


光がバッチリ引いた表情をしていた。☆←



少し経って、光が「そろそろ帰る」と言い出した。
「夕葉先輩送っていきますから帰りますよ」と言われて、そのために来たのかと納得した。


『おん、』と返事しようとしたら、白石が子犬のような目で見つめてきた。


アカン、と思ったけど、もう少し居ることを決意した。


食欲が出てきたらしく、その後には桃缶も食べた。

片付けを終えて、そろそろ流石に帰ろうと思った矢先、「手ェ握ってくれへん?」と言われた。



蔵)「風邪引くと人恋しくなるって言うやん。ええやろ?」

『…んー、』

何これ、恋人みたいでスッゲェ嫌やと思ったのでやんわり断ったつもり。


…なんやけど、この後視界が反転してん。


































『っちゅー、夢を見てん。』

光)「…自意識過剰ッスわ。」

『せやろ?自分でも思うねんけど、最近妙に正夢見るんや。』

光)「余地夢っちゅー事ッスか?」

『おん、小テストの山、夢で当ててん。』

光は呆れた表情で、「アンタ受験生やろ」って言ってきた。
コイツ既に敬語忘れてる。一応先輩やで。


『夢って人に話したら正夢にならんとか言うやろ?せやから、』

光)「何で俺やねん。」

『オイ、お前敬語忘れてる。…一応登場人物やん。』

光)「勝手にアンタの妄想に俺を巻き込むな。」

『せやから敬語使えや。夢なんやからしゃーないやん。
まずあたしが看病する時点で面倒やし、あの後がマジで怖い。嫁に行けん。』


あ、コイツ鼻で笑いよった。
「少なくとも俺はアンタと部屋に2人きりでも何もする気が起こりません」とか。
お前それでも健全な男子か。
え、何?俺は健全やけど、アンタに魅力無いだけやって??失礼すぎるやろ。

















蔵)「え、エクスタシッ!!」

金)「白石風邪〜??」

蔵)「何か寒気するけど熱い気もする。アカン、風邪かも。」

謙)「え、今のくしゃみやったん??」

蔵)「今日は早よ帰って寝るわ。」

銀)「明日辛かったら無理せず休んだ方がええ思います。」

蔵)「おん、そうするわ。」












『…ちょ待て、財前、…アレ?これってデジャヴ??

光)「俺は明日、部活終わったら夕葉先輩を送るために白石部長の家に行けばいいんスね。」

『え、止めて!!マジで!!あたしも明日休む!!』

光)「いや、あの続き知りたいんで。」

『お前、あたしはどーなってもええんか!!』

光)「責任とってもらえばええやないスか。そのまま嫁にしてもらえ。」

『マジでシバくぞお前!!』




























そして次の日、白石は学校を休んだ。

謙)「白石風邪で休みやって。」

『ふーん。』





携帯が鳴った。
めっちゃキモい事言われたので切ってしまった。

どないしよ…。





謙)「夕葉、後が怖い。早よ行け。」







どないしよ…。

マジで…。









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