四天宝寺
□完璧な告白
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蔵)「明日奈、俺、自分のこと好きやわ。俺と付き合うよな?」
今日、俺は完璧な告白を遂げた。
きっと、このまま彼女と「絶頂」や!!!
とか考えていた俺に対して、彼女の返事は「No」やった。
蔵)「何で?!」
『…え、だって、うち、白石くんのこと好きとちゃうし。』
何で俺のこと好きにならんねん!!!
蔵)「…でも、付き合っとるうちに好きになるかもしれんやん。」
『その可能性は無い。』
俺が一歩引いて出てみれば、可能性は皆無だと否定された。
アカン、こんな屈辱初めてや…。
ちゅーか、俺、自分から告白したん初めてや。
この数ヶ月間、毎日謙也に愚痴聞かせてきたんやで??
財前には、ほぼ毎日呆れられてきたんやで?それを超えての告白…
やっと決意した告白やんか!!!
しかも、告白してきたん、俺やで?!
どこに断る女子が居んねん!!!
蔵)「はぁ?!自分、俺の告白断るん?人生損しとんで!!絶対!!こんなこと、これから先絶対無いで!!ホンマに!!!」
『…自分、思ったよりボケてんなぁ、ハッキリ断ったやろ?』
蔵)「アカン、ホンマアカンで…自分、絶対人生損しとる。たこ焼きの美味さを知らんくらい損しとるで!!!」
『…その程度なんやな。』
俺の告白に対してこんな冷静で居る女子、初めてやわ。
まあ、俺が告白するん初めてなんやから当たり前やけど。
蔵)「アカン…、残り少ない俺の人生において、こんなショックなこと起こると思うてへんかった…。」
『ほー、どれくらい残ってんねん。』
蔵)「90年くらいやな。」
『90年あれば十分過ぎるわ!!ちゅーか自分、100までは生きるんやな。図々しいわ。
しぶといヤツやなぁ、さっさと去ねや。まず、あと90年もあれば理不尽なこと絶対もっとあるで。』
酷い、この女子、ホンマ酷いわ…。
蔵)「せや、…俺の欠点言うてみぃ?そしたら、拒否権やるわ。」
『現時点で拒否権無いんかい。ナルシスト。それじゃ断るで。』
一瞬にして俺の欠点言われてるやん…!!!
今まで、俺マジ完璧やと思ってたわ。それが盲点やったんやな…。知らんかった…。
金)「なあ、白石フラれたん??あれってフラれたん??」
茂みからガサガサ音がして、思いっきり金ちゃんの声が聞こえた。
「俺の勇姿見ときぃ?絶対、一瞬で落したるさかい」とか言った俺がアホやった…!!!
今、ものっそい後悔しとるわ。
『……後輩に哀れまれとるで。』
見てみると、明らかに哀れんだ表情しとる財前が居った。
部長の面子丸つぶれや…!!!
『うちは悪くないからな』なんて言いながら、あいつ去って行きやがった…!!!
明日奈は、すぐに振り返る。
『言い忘れたけど…うち、白石のこと嫌いではないで。』
『さっきの告白気に入らんけど、しゃーないから付き合ったるわ。』
と、悪戯っぽい笑顔を見せた彼女に、俺は相当惚れてるようで…
蔵)「アカン、今すぐエクスタシーしたい!!!」
『…死ね。』
ただ、一応、恋は実ったようです。
金)「なあ、白石フラれたん??」
千)「フラれとらんばい。」
蔵)「ちゅーか、言い忘れたって何やねん!!1番大切やんか!!!」
『何か、白石からかってたら、忘れとった…。』
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