LongStory
□日常生活編
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病院独特の音がする。
私は死ぬのだろうか…。
こんな暗い始まりで読者の皆様には本当に申し訳無いと思っている。
現在、私は病室のベッドの上に居る。
それも、かなりの重症で、側には機械がたくさん設置されている。
点滴はもちろん、…この口にする呼吸器のようなマスクは何だろうか。
私の心臓の速さとともに、奏でられる機械音は不快でしかなかった。
それは偶然に始まったのか、必然だったのか…今となってはよく分からない。
『(…にしても運が悪すぎやしないだろうか、)』と今更思っても何にもならない。
『(何が悪かったんだろ…日ごろの行いかなぁ、)』
目をつぶり、何にもならない思いをめぐらせながら、私は深い眠りにつく。
そこで意識を手放したことだけは確かであって、
死んだわけではない。(…と信じたい)
昨日、勉強するときに偶然取り出した懐かしいCD。
そのせいか、先ほどの事故の瞬間、私の前によぎった。
こんな時、何てことを考えているのか…
周りはそう呆れるだろうが、
『(何か、幸村の笑顔見たかったな、…全国優勝して、満面の笑みで…泣くくらいに喜んでほしかった…。)』
なんて思った私が馬鹿だった。
今、目の前にその人が居る。
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