shabake

□第三話
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凛が江戸にタイムスリップしてから、すでに2週間ほど経っていた。

妖が見えるという共通点のおかげもあり、凛と若だんなはこの短い期間の内に段々とお互い気を許し始めていた。


−−−−−

「若だんな、今日のおやつは花林糖ですよ。」
明るい笑みをこちらへ向ける凛を見て、ここへ来たばかりの頃より印象が変わったな、と若だんなは思う。


出会ったばかりの頃は、何だかつまらない、というような色が瞳の奥に感じられた。
だが、ここへ来てから凛はよく笑うようになった気がするのだ。まあ、いきなり違う時代に来てしまったのだから、最初は不安だったからだろう、と言われればそれまでなのだが。

しかし、若だんなが感じている事は間違っていなかったようで、凛自身、この時代に来てからなんだか毎日が楽しくて、自然と笑みが溢れることに少しばかり驚いていた。


そしてまた、若だんなにも少し変化があったのだ。
 

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