稲妻 短

□ちょっと、
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「霧野くん」
チョコレート食べる?
「さんきゅー」
甘いものってほんとにいいよね
やなことなんて忘れちゃうし
幸せになるし
ちょっとカロリーが気になるけど
「霧野くんは甘いものすき?」
「嫌いじゃないかな」
あれ?
「好きではないと、?」
「まあまあってとこ、無性に食べたくなるときがある」
なるほど
と呟いてあたしはもう一つ銀紙を剥いた
「名無は甘いの好きだよな」
「だいすき」
彼は笑って私の手に飴を握らせた
「お礼」
そのまま教室をでていった彼の後ろ姿を見送りながら
レモンの飴を放り込んだ

ちょっと、この飴甘くない

(甘酸っぱい)
 

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