稲妻 短

□優しくしないで噛み付いて
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近づいたかと思えば何時の間にか隣から消えてて
甘過ぎる口付けを残したと思ったら、あの子にも優しい口付け
「名無」
そのくせ甘ったるい声であたしを呼んで
腕を掴んで抱き寄せて
壊れものを扱うみたいに優しいの
「ひできくんはあたしか好き?」
「なんだよ急に」
「いや、ひできくんの1番って誰かなって思って」
彼は紫の口紅を舐めとるように舌なめずりをしてから言った
「俺から呼び出すのお前だけだぜ」
そういって彼は私の首筋に噛み付いた
「そんなの知ってるよ」
チクリとした痛みも、滲む唾液もあたしだけのだったらいいかな、なんて

痛いくらいがちょうどいい

(刺激的な君を感じてたい)

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