稲妻 短

□すいーとすいーと!
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アップルパイ
いちごタルト
ミルフィーユ
プリン
「全部ふたつずつ買ったから大丈夫だよ」
そういってこいつは俺の部屋に上がり込みやがった
「おまえ、それ全部今日くうの?」
まんめんの笑みの名無はもちろん!と包みを開きはじめた
「おまえ昼飯かってくるっていってなかった?」
「これひるめし」
俺の口調を真似て
ぐさりとミルフィーユにフォークをつきたてた彼女は幸せそうにそれを頬張る
「甘いもん昼飯とかありえねー」
「マサキの分も食べちゃうよ」
俺はフォークを使わずにタルトをかじった
あーあ、おててべとべと
そういって彼女は俺の手をナプキンでぬぐう
「なぁ」
振り向いた彼女の口を塞ぐと
カスタードクリームの甘さと
とけきったように甘い香りがした
「ドーナツ買ってやるから外めしいこうぜ」
彼女はすでにミルフィーユを食べ終えていて、名残惜しそうにたべかけのアップルパイをみつめなおした
「あまいの嫌?」
俺は溜息をついて不機嫌な彼女に言い放った
「あまいのはお前の口んなかだけで充分」
今度はすっぱさのかけらもないりんごのコンポートの味がした

糖分摂取に注意

(....アイスクリームもつけてくれるならいく)
(まだくうのかよ!)

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