黒子 長

□苺の香り
1ページ/1ページ



新色のリップクリーム
あたしはドキドキしながら包みをあけた
ママがもう中学2年生なんだから、と
色付きのリップを買ってきたことからはじまる。
苺の香り
カラーもみずみずしい赤ピンク
「...せいくんカラー」

キュートな色だけど
魔王様のことを思い出す色なんて最悪だな


「名無しちゃーーん」
「おわ、きせくん」


カッコいいやつだ。
黄色の髪の毛に片耳ピアス
目は丸くてつり目でうわまつげがぴんっとたっている。

「相変わらずカッコいいな、おまえは」
ため息をはくと彼はにこにこと喜んだ
「名無しちゃんに言われるのが1番嬉しいッスよー!」
本当に口が達者なやつである
「きせくんは本当にわんわんみたいだなぁ」
...それにしては長身なわんこだ。とも思ったが。

「あれ?なんか」
彼はあたしをじぃっとみた
「な、なによ」
こんなにみられたら、さすがのあたしでも照れる
「名無しちゃん、」
彼の人差し指が私の口の端にのった。
「え、ちょ」
彼はあたしとの距離をちょうど拳一個ぶんくらいまでつめて笑った
「苺の甘い香りがするッスね」
その指で私の口をなぞって
「濃いピンク、いや赤かな」
彼はまた目を細める
「名無しちゃんによく似合う。」































「ばかきせえぇぇぇええぇえ!!!」















苺の香りは君の

(いってー!似合うっていっただけじゃないスか!)
(なんか、余計な動作が多いのよ!)
(もしかして、てれてる?)
(てれてなんかないわよ!)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ