星河一天
□第ニ訓
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「はッ!たァッ!」
「そんなもんか〜?」
「まだまだッ!」
雨の中、神威は父に向かっていく。
神晃はそれを上手くかわしながら、隙を見ては神威の頭をコツンコツンと軽く叩いた。
数分後、体力が無くなった神威は仰向けに大の字になった。
「なんでだろ〜あんなにいっぱいしたのに〜」
「いや、まだ四つだってのにお前はよくやってる。さすがは俺と母さんの子だ。こりゃ将来が見ものだな。」
父に頭を撫でられながら、神威は口を尖らせる。
「ねぇ、もっかいっ!」
「ダメだダメだ、これ以上やると風邪を引くから風呂に入るぞ。
そのかわり、あとで市場に連れていってやる。」
その言葉に神威の顔がキラリと輝いた。
「ほんと!?やったぁ!」
「コラ、でかい声出すな。母さんには内緒だぞ?」
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