星河一天

□第七訓
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小姓になってから二週間が過ぎた。


その間に、“自分の部屋”というものを割り当てられた。


風呂便所付き、十二畳ほどのワンルームだ。


もちろんながら、入居前リフォームなんて気の利いたことはされていない。

それどころか、前の住人の私物が置きっ放しにされてある。


「前の住人は、たしか〜…ひと月ほど前におっ死んだ奴だったはず。よって、この部屋のある物は全部お前ェのモンだ。捨てるも良し、使うも良し。」




だ、そうだ。


紫音は部屋の隅に固めて置かれていたゲームソフトの山を指差した。




『あれは何?』


「オメ、ゲームも知らねーのかよ。……今度伝授してやんよ。」






あまりにも生活感が残る部屋は少し気持ち悪かった。

だが、家具類どころか自分の部屋というものを持ったことがない紫音は心が踊った。


だってココは「出てけ!」と叫ばれたりしないし、暑さも寒さも風も雨もないし、他人の視線もない。




自分だけの空間。








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