鏡花水月

□第四訓
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第四訓

「前門の虎、後門の狼」





星屑が輝る空間を進む三隻の戦艦。



今回の仕事は、いや今回も、とある組織の抹殺だ。


聞けば、春雨側からの交渉を断り反発してきたとの事。


こういった春雨という組織の害になりうるものを圧するのも、紫音たち戦闘部隊 第七師団の仕事だ。





義理や金でも動かない。



夜兎が動く時。



それはそこに血の匂い煙る戦場がある時だけ。





などと言われていたのは、もう昔の話。



しかし、その類い稀な戦闘能力は春雨を土台から支える大黒柱。

組織にとって大きな役割を果たしている。




紫音はいつもの席、一番奥の窓際に座りそとの景色を眺めていた。


その時、操舵室から艦内放送が鳴る。


《母艦より緊急連絡が入っています。団長、副団長、操舵室までお願いします。》



「緊急連絡?」

「珍しいな。」



神威と阿伏兎は立ち上がり、操舵室へと向かった。









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