鏡花水月

□第六訓
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そんな雰囲気のまま撤収の時間になり、三人は飛行機へ戻った。


他の団員達も次々に帰ってくる。


団員たちは再び台を囲み、一組一組報告をする。



結果は惨敗。


目撃情報どころか、何の手掛かりさえ見つけることが出来なかった。


自然と団員達は暗い雰囲気になる。


「…まぁ、この広い宇宙の何処に居るかも分からねェんだ。簡単に見つかるなんてハナっから誰も思っちゃいなかっただろう?」


周瑜はわざと明るい声でそう言ったが、団員達は力なく頷いた。



どこか他の師団が捜索をして第七師団が殲滅することはあるが、基本的にこういった捜索活動自体をも第七師団が行うのは希だ。


これは、捜索の対象が夜兎と名を連ねる戦闘部族 辰羅であるがための異例。

発見した際に、対処出来るのが第七師団しかいないからだ。



戦闘を得意とする紫音たち夜兎が、こういった地道な作業に対して集中力が持続する訳もなく。


周瑜はどうしたもんか、と紫音を見る。

が、紫音は心此処に在らず。


台に広げられた地図の一点をぼんやりと眺めていた。


「紫音。」


周瑜の声に紫音はハッと我に帰る。


『え、悪ィ。聞いてなかった。』


「……明日は?どうするんだ?」


『あぁ、今日と同じやり方で行くしかない。…皆、今日は初日だし疲れただろ。しっかり寝て、また明日から仕切り直しだ。』


紫音がそう言うと団員達は各々椅子に座り瞼を閉じる。


紫音も椅子に座り、窓から遠くに見える街のネオンをぼんやりと見つめた。


団員達が寝息をたて始めた頃、小さく溜め息を吐いて漸く瞼を落とす。


そんな紫音の様子を周瑜は心配そうに見つめていた。










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