星河一天

□第七訓
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『ラクヨー…?』



場所は第七師団の戦艦内。


大型バスのように座席が並んでいる。

戦艦は宇宙空間を進行中だ。


紫音は椅子に乗って背もたれにしがみついて後ろの座席にいる阿伏兎と同僚の呂蒙(りょもう)を見つめていた。

その顔や腕からは包帯がはずされており、透き通るような白い肌が見えている。


「あぁ。第七師団(ウチ)がアジトを制圧することで色んなことがスムーズになり、薬物密売(仕事)が捗るってこった。」


『ラクヨーって何だ?』


「…ったくお前は、そこからかよ。」


「仕方ねーよ。紫音、烙陽は惑星の名だ。」




ダルそうに答える二人。



『ラクヨー…、惑星かぁ、どんなとこだろ…』


紫音は大きな欠伸をすると、前に向き直りコロンと座席に転んだ。


一分もしない内に聞こえてくる寝息。



「大した餓鬼だぜ、全く。」


阿伏兎は大きな伸びをしながら言った。


「だいぶ板についてきたんじゃねーの?すぐにおっ死んじまうかと思ってたが。」


「ククッ…なかなかセンスがいい。成長が楽しみだ。」


低く喉を鳴らした阿伏兎に呂蒙は呆れた目線を送る。


「またそれかよ。…でも、まぁ確かにコイツァ思った以上の出来だ。案外長持ちするかもな。」



口元を緩ませる二人。


戦艦の僅かな揺れが心地よく、二人や他の団員たちも眠りの世界へと落ちていった。









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