星河一天

□第十一訓
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第十一訓

「星河の部屋」










故郷・烙陽を発ち、三ヶ月余りが経過した。



神威は鳳仙の正式な弟子になり、数名いる側近の一人として彼と行動を共にするようになった。





「……臆したか、神威よ。」


「……….…いえ。命って随分と呆気ないんですね、鳳仙団長。」



また乾いていない掌の赤に目を落とす神威。

少し前に立つ鳳仙の眼前には、無数の屍が転がっている。



「死人の事など気にかけるな。弱き者は地に伏し、強き者はただ己の道をゆく…それだけだ。」




「…ただ己の道を……….」







そうしていると、各隊の隊長が次々と側近に任務完了の報せに訪れはじめた。


広大な土地での決戦は、つい先ほど終結した。



「儂は先に発つ。後始末は任せたぞ。」


「ハッ、畏まりました。」



日除けのマントを翻し、戦艦へと歩みはじめる鳳仙。

一人の側近を残し、他の側近と神威は鳳仙の後へ続いた。










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