皓月千里
□第三訓
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第三訓
「ゲームは一日一時間」
とある惑星の
夜も更けた真冬の電気街
間も無く年が明けようとしている中、大手電機屋ヨドバツキャメラの前には長蛇の列ができている。
ニュース・ザ江戸のリポーターを務める花野 咲(はなの さき)アナウンサーは、深妙な面持ちで中継カメラに向かっていた。
花野アナ:《電機屋の前に並ぶ長蛇の列。大晦日、紅白も見ず、御節を食べることもなく、寒空の下並ぶ彼等のお目当てはコレ…
新型遊戯機 弁天堂OWee!!
(しんがたゲームき べんてんどう オヴェェ‼)
正月、元旦、つまり明日発売される、このゲーム機を誰よりも早く手に入れるため、オタク達の最後の聖戦が今始まろうとしているのです!!》
花野アナ:《OWeeを買うためにいつから並んでいるのですか?》
行列の前から二番目の男性:「昨日の晩からです。でも既に並んでいる人がいて上には上がいるなァ〜」
花野アナ:《いつから並んでいるのですか?》
行列の一番前の武蔵っぽい人:「………3年前かな。」
前に並んでいる人に銃口を突きつけている警察庁長官:「あ?娘がよォほしいっつーから。オイ、てめー、おじさんと代われよ。」
胡散臭い猫耳天人:「ゲームナンテ興味ハナイデス。ネットオークションデ高値デ売リサバキマース。」
花野アナ:《というように理由は様々ですが、ここに集まった人々、事実確認はできていませんが、OWeeは先着108名にしかいき届かないとの情報も入っています。
果たして彼等はOWeeを手に入れる事ができるのか。
除夜の鐘が鳴りひびく中、煩悩にまみれし者達の戦いが今始まろうと…》
するとモクモクと煙が立ち込み、パチパチと何かが弾けるような音が聞こえ始めた。
花野アナ:《ゲホゴホッ、何?この煙。》
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