皓月千里

□第五訓
1ページ/9ページ














年が明けてからしばらく







街を一望できる丘で、乾いた風に土埃が舞う。



珍しいことに、もう二日も雨が降っていないらしい。










第五訓

「菫色の純情な感情」







靡く髪には気も止めず、紫音は目の前の墓石をじっと眺めている。








『アンタならきっと、もっと別の方法で......』





紫音は拳を固く握りしめた。










次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ