皓月千里

□第四訓
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そこへ激しい落雷があり、その場にいた者全員の動きが止まった。



花野アナ《ああーっと、突然雷が!!長老をも凌駕するこの力は…》



かむい「王様だよ。」



ピシィピシィと帯電している王様の屍を剣のように持っている神威が現れた。



花野アナ《勇者かむい!!勇者かむいです!!》



かむい「カジノで一発当ててね、王様買ってきたんだ。」


リテソ「王様買うってどーいうことだよ!!団長ォォォ、一体どんな手使ったんスか!!」



神威が構えた王様が何故かバチバチと猛烈に放電し始め、盗賊団はみるみるうちに真っ黒焦げになっていく。



花野アナ《つーか、おめーら普通の武器で戦わんかいィィ!!》



リテソ「クソッ。まさか王様をもってくるなんざ、とても長老じゃかなわねェ。このままじゃ……!!!」





そこへまたもや衝撃があり、その激しさに吹き飛ぶ者も出た。



散乱する瓦礫、充満する土埃が晴れた頃、洞窟が明るくなっていることに気付く。



花野アナ《ああーっと、突然洞窟の天井に大穴が!!》



リテソ「がぺぺ!あっ!アレは…」




皆が顔を上に向けると、見えた青空の中に自身の10倍以上はあるであろう大きさの魔王の屍を持った紫音が浮いていた。



リテソ「魔王だァァァァァァ!!魔王を手に入れやがったアイツ!」


紫音『ブハハハハハ!OWeeはあたしのものだ!!死ぬがいい愚民ども!!』

かむい「ふざけるなよ、魔王なんて反則技だ!不公平だろ!!」

ちんかす「武器じゃねーよそんなもん!!くたばりやがれ!!」

リテソ「アンタのも武器じゃねーよ!クソがァァ負けるかァァ!長老の真の技を見せてやる!!」

紫音『首領はどこだァァ!てめーか!!あん!!オイ吐けよ、てめーよォ!』






リテソ「ヤベッ、しょんべんしたくなってきた。ちょっ、タイム!しょんべんタイム!」

ちんかす「しるかボケェェ!!」











李典「ちょっ、紫音。俺しょんべんいってくっからちょっとの間、頼……」



李典がVRサングラスを外すと、彼の左手は気絶している張苞の胸倉を掴んでいた。



辺りを見渡すと、



神威「オラァ!」


龐徳に強烈な飛び蹴りをしている神威。



周瑜「ぐぼォ!!紫音やめてくれェ!」


馬乗りになり周瑜をボコボコにしている紫音。



阿伏兎「なんだこのゴリラみてーな野郎は!!てめーが首領か!!あん!?」


鼻血を垂らし動かない元譲の襟を掴み詰め寄る阿伏兎。



その他、会場にいた観客たちは皆地に伏せて動かなくなっていた。







スッ



李典は何も見なかったことにしようと、徐にVRサングラスを掛け直した。










後日、テレビニュースでOWeeの発売中止が発表された。



リテソ「いや………やっぱゲームは一日一時間だわ。」










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