皓月千里

□第八訓
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第八訓

「侍と忍と兎と烏」








「んー...ダメだ、繋がらねェ。」


「阿伏兎の奴、おぼえとけよ。」




笑顔の神威の頬には、くっきりとイライラマークが浮かび上がる。

紫音と李典は苦笑しながら、打開策を考えた。



「とりあえず、タケチに連絡しよう。船もねェし。」

『そうだな、奴なら一隻ぐらい予備を置いているだろうし。』



李典の通信機で武市へ連絡すると、やはり彼ら奇兵隊は全軍、阿伏兎たちと共に伊賀の忍の里へ向かっている最中らしい。


武市が指定した場所まで行き、小型の船を一隻手に入れると、紫音たちも猛スピードで伊賀へと飛び立った。




《こちらは、もう間もなく伊賀の地へ到着する予定です。》



フロントガラスに映る武市の背後では、彼の部下たちが忙しなく働いている。








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