星河一天

□第四訓
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親子は家路を行く。


神威の頭頂部には、見事なタンコブがひとつ出来ている。




「つーー、一体どこに目ェつけてんだよ。8対1だよ、どう見てもいじめられてたのは俺じゃないか。」


「像一頭と蟻八匹でもか?夜兎の力を無闇に使うな。」


「いちゃもんつけてきたのはあっちだよ、それに強くなれって言ったのは父さんじゃないか。」


「俺は母ちゃんや神楽を護れる位強くなれっていったんだ。かわいい妹喧嘩に巻き込むアニキがいるか、なぁ神楽ちゃん。」


抱いていた神楽に微笑んだ神晃の顎を、神楽は「だ〜〜」と喃語を発しながらゴッと蹴り上げた。



「象二頭の間違いだった。」


「だってアイツら母さんを病気をまき散らす病原菌だって!なにもしらないくせに!
いや……何もしらないのは俺か。父さん、母さんの病気って一体何なの。本当に治るの。俺が母さんにできる事って何もないの。父さんを手伝える事って何もないの。」



訴える神威の小さな頭に、神晃は微笑みながら大きな手を乗せた。


「ねェよ。今のままで充分だ、お前が母ちゃん達のそばにいてくれるだけでどれだけ助かってるか。母ちゃんの病気の事は俺に任せろ、必ず治す方法を見つけてみせる。だからお前も母ちゃんを悲しませるような無茶はすんなよ。」








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