星河一天

□第十二訓
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すると、紫音はニンマリと微笑んだ。




『へぇ〜〜そうかそうか、ふぅ〜〜ん。
あ〜〜、阿伏兎。“アレ”、今回の仕事が落ち着いたらもらう事にするから。』


「…あ?……….何の話だ。」


『ヤだなぁ〜〜、約束しただろ?外出許可くれるって。』



「おっ!ついにか。」
「はぁあ?何バカなこと……….…」



元譲と阿伏兎の声が被る。


阿伏兎は遇らおうとしたが、紫音の顔には



(いいんだな?大声で全部喋っても。)


と、書いてある。


ゴゴゴゴゴゴゴゴ…




『……….………….…。』
「……….………….…。」



「なんだ?入隊する気になったのか?」


睨み合う阿伏兎と紫音に元譲が問いかけた。



『入隊?いや、しねーよ?』


「あ?じゃあ、どういう風の吹きまわしだ?」


『阿伏兎はカタブツに見えて案外“話のわかる奴”で、あたしはこう見えても“チャンスは逃さない奴”ってだけだ。』



ほくそ笑む紫音に阿伏兎の額には筋が浮かび上がる。



「上等じゃねーかクソガキが……」


「なんかよく分かんねーけど、良かったな紫音。」


『ククッ。』







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