皓月千里
□第四訓
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花野アナ《勝負は先に魔王を倒した方が勝ちと言いたいところですが生憎そんな時間は無いので、北の洞窟に巣食う盗賊団を先に退治した方が勝利とします。
それでは…ゲーム開始!!》
紫音 レベル1 HP15
『よっしゃああ!!いくぜ!!』
駆け出そうとした紫音を李典が止める。
リテソ レベル1 HP17
「まァおちつけ。とりあえずこのレベルじゃ街の外に出ても簡単にやられちまう、まずは準備が必要だ。」
かむい レベル1 HP18
「…どうする、武器でも買いにいく?それとも街で盗賊の情報でも集める?ちんかす。」
ちんかす レベル1 HP3
「…オイ、なんでみんなレベル一緒なのに俺だけHPこんなに低いんだ。なんで生まれた時から画面まっ赤なんだ。」
かむい レベル1 HP18
「さぁ?ちんかすだからじゃない?」
花野アナ《どうやらHPはゲームを開始した時にランダムに振り分けられるようですね。これは団長チーム出鼻をくじかれました。》
ちんかす「ふざけんじゃねーよ!!こんなもんスライムにも一撃でやられるぞ!」
リテソ「ブワハハハハハハ!!副団長はそこでコソコソレベル上げててくださいよォ!何十年かかるかしりませんけどね!」
阿伏兎を嘲笑っていると、李典の口から赤いものが垂れ始めた。
リテソ レベル1 HP14 どく
「ぶっ!!
おいィィィィ!!なんでゲーム開始直後から毒もってんだァァァ!!なんで生まれた時から画面緑色なんだよ!!」
ゴフェっと吐血する李典に、紫音は白い眼を向ける。
紫音『これだから男は…どこの女からもらってきたんだ。』
リテソ「性病みたいな言い方すんじゃねーよ!!」
花野アナ《どうやら開発中のゲームゆえ、バグがところどころに見られるようです。》
リテソ「ふざけんじゃねーよ!これじゃ街出る前にHP0になっちまうよ!一歩も歩けねェ!!紫音!!毒消しだ!!早く毒消し草をもってこい!!」
紫音『うっす!!』
ちんかす「クク、ざまァねーな。バカやってる間に俺達ゃゲーム進ませてもらうぜ。……いて。」
李典を嘲笑う阿伏兎は、道端に置いてあった店の看板に足をぶつけた。
【ちんかすは死んでしまった。ちんかすレベル1 HP0】
ちんかす「なんでだァァァ!!」
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