□風邪の時には
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まいった…
風邪をひいちまった…
熱、のど、鼻すべてにきた…

こういう時あいつにそばにいてほしい…
しかし、そのせいであいつに移ったら困る…

携帯を手にしてはそんな葛藤の末、連絡できず。

はぁ…
早く直すしかないか…

だいぶ汗もかいたし…
着替えたいがだるい…

―コンコン

もう薬の時間か?
その前に何か食わなきゃいけねぇか…

「…入れ」

―カチャ…

「…跡部?」
「っ!?」
「…来ちゃった…」
「神尾…?」

食事が運ばれたのかと思えば、そこに立っているのはそばにいてほしいと願ったあいつ。

「…なんで…」
「跡部が風邪ひいたって聞いて…」

言ってないはずだぞ?
誰だ?今までの葛藤を無駄にする奴は…

「…誰に聞いた…」
「向日さん」

あいつか…

しかし来てしまったものはしょうがないだろう。
神尾の様子からも伺える。
看病をする気満々だ。

「熱あるのか?」

そっと額に手を乗せられた。
ひんやりしていて気持ちがいい。


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