愛してるぅうう!

□愛してるぅうう7
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「我が君、報告がございます」


『半蔵か』



姫華殿の見張り役の半蔵が私のところに来た。



「我が君、残念な。報告です」


『………残念、か。わかった、話してくれ』


「先にいいます。あの姫華と言う女は天女ではなく女狐です。気に入らなかった人に暴言を吐き、ついだ茶を熱いと言えばその茶を女中にかけ――」


『待った。今、なんと言った?』


「ついだ茶を熱いと言えばその茶を女中にかけ、と」


『まさか…あの時…。私は何で気付かなかったんだ』


「我が君?」



あの時、桜殿は火傷をしていた。
あんなに大きい火傷をしていたのに何故変だと気付かなかったんだ。
しかも、桜殿に失敗だとか言ってしまった。
泣いていた理由はそれではないはずだったんだ。
しかし、姫華殿はひかえめな方だ。
あんな子が本当に桜殿を火傷させたとは思えない…。



「我が君?」


『私のせいか…』


「我が君…。違います。我が君は何もしていません」


『半蔵…。そうならこの痛みはなんだ?』


「…………」


『すまない…。一人にしてくれ』


「御意」




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