愛してるぅうう!

□愛してるぅうう8
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女装したのは久々だな…。
いや、女だから女装とは言わないか。


この町が私の作った町。
賑やかだな…。


……………。


確か神社があったはずだ。
そこに行こう。



――――――――――



『はは、相変わらずボロボロだ。ここの神様はあの人、だからな…』



あの人…とは私が“ここ”にトリップさせた神様のことだ。



「ん?先客か」


『え…み、つなり?』


「……………」



いや、よく見ると三成ではない。
三成が30代になったらこんな感じだろうか?



『失礼しました。よく友に似ていたもので』


「そうか。この社はよく来るのか?」


『いいえ、あまり来れないので。あなたは?』


「旅人なものだ。私は…カゲロウ。お前は?」


『い…劫です』


「…劫か。いい名だ」



思わず家康と言うとこだった。
でもこのカゲロウさんと話しているとなんだか三成と話しているみたいだ。



「1つ質問する」


『はい』


「お前は、何か憎いか?」


『え…』



カゲロウさんの言葉が突き刺さった。
この人は何でもお見通しみたいな感じがした。



『憎い…でも憎しみは何も生まれない』


「あぁ、そうだな。だから、仲間を大切にしろ」


『え…』


「私は行く。またどこかで会えるといいな、劫」



カゲロウさんはそれだけ言うと行ってしまった。



『……………帰ろう』



――――――――――



「家康…私はお前を…許す。“この世界”の家康は、いや劫はどうか憎しみで人を殺さないでくれ…」




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