異世界へGo!
□異世界へGo!9
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―牢屋―
「神様が導くものすべてが正しいとは限らない。神様だって嘘はつくんだ――」
キィ……
「やれ、また歌っていたのか。咲魔よ」
「やぁ、吉継さん。歌わないと生きていないみたいで…」
「ヒッヒッ…主は三成に似ているが性格は似ておらんな」
「それはそうですよ。俺は俺、三成さんは三成さん」
「そうか、ソウカ」
咲魔がいる牢屋に来たのは大谷吉継だ。
彼はただ咲魔と話をするだけのようだ。
「して、主は本に異世界とやらから来たのか?」
「そうです。異世界つまりこの世界ではない所です」
「そのような仕打ちを受けてもそう言うか。そこは三成と似ておる。真っ直ぐな所は」
「そうですか?」
「左様」
そのような仕打ちとは咲魔の頬や体に鞭で打ったような切り傷などが多い。
「こんなこと慣れです」
「慣れと?」
「毎日のように母と言う女にやられてきましたからね」
「ほぉ…」
「だから辛くも何ともありません。あっは」
「……………」
明るく笑う咲魔に吉継は牢屋の鍵を開けた。