短編A
□ひまわり
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『…………』
「す、すみませんでした!」
『いや……わー』
「ホントにすみませんでした!」
『え、あ!』
行ってしまったか……。
まぁ、仕方ないか。
毛利元就に成り代わって早17年。
今は学園バサラ高校で高校生をしている。
無口、無表情……それが妾だ。
だから、みんなに嫌われている。
いや、一人、ただ一人だけ妾と一緒にいてくれるモノがいた。
「おーい、つき。なにしてんだ?」
『元親……』
そう、彼こそ、妾の唯一の友達。
見た目は不良だが、優しいのは知っている。
この前、捨て猫にエサを神社でやっているのを目撃した。
『いや……』
「そーかい。お前が人見知りなのはわかる。オレも昔はそんな感じだったしな。話そうと頑張ってるのもんな、つきは」
なにもかも、バレている。
元親は妾の頭を撫でてニカリと笑う。
元親には敵わぬな。
そういうとまた笑った。
「オレはお前をずっと見てるから。どんなことでも表情をみればわかるんだよ」
嬉しく思えた。
【つづく?】