短編@

□絵師2
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次の目的地は甲斐だったはずなのですがどうやら道を間違い上田に来てしまったようです。
もう日がくれているので今日は宿屋に泊まろうかとした時にちょっと酔っぱらいの方に捕まってしまいました。



「こんな夜に1人かい?ねぇちゃん」


『はい…それでは』


「おぉっと!ねぇちゃん話しようぜ?」


『急いでいるので…』



困った。
酔っぱらいに絡まれてしまうなんて…。



「こっちにこいよ!」


『きゃ』



腕を強引に引かれた。
男の力では女は勝てない。
このままではマズイことになってしまう。



「おまたせー、待った?」


『え…』



そこに現れたのは橙色の髪をしたお兄さんでした。



「あはー、この子俺の何だけど」


「チッ、男連れかよ」



そういうと男はフラフラと行ってしまった。
呆然していた私は我に帰る。



『あの…ありがとうございました。どうお礼をしたら』


「あはー、お礼なら絵を描いてくれない?絵師さん?」


『え…何で』


「昼間ここで絵を売っていたからね。覚えてたんだよ。何でも見たものをそのまま描いていて天才絵師とも噂されているよ」


『え…』



なにそれー…。
天才絵師って何ですか。
私は未熟者なんですが。



「宿探してるよね?」


『はい』


「どこの宿も空いてないよ」


『え!?どうしましょう…』



ここまで来て野宿ですか!?
そう困っているとお兄さんが。



「うちに来ない?」



と言った。



   
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