溺愛☆テンプテーション

□溺愛☆テンプテーション3
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『お兄さん?』


「決めた」


『え?』



何を決めたんだろう?



「そなた、名はなんという?我は毛利元就」


『元就お兄さん?わたしはふり!』


「ふりか。いい名だな」



元就お兄さんがまた頭を優しく撫でる。
撫でるのが好きなのかな?



「ふり、我の養女に来ないか?」


『養女?』


「そうだ」


『お父さんと離れちゃう?』


「そうだが…」


『ふり、お父さんを一人ぼっちに出来ないの。ごめんなさい』


「父しかいないのか?」


『うん、お母さん、もういないの』


「……すまぬ」



元就お兄さんは複雑そうな顔をしていた。



『大丈夫だよ!わたしにはたくさんの人がそばにいるの!元就お兄さんも!』


「ふ、我をいれてくれるか」


『うん!』


「また、会えたらよいな。もう、帰らなければな」


『わかった!バイバイ元就お兄さん!』


「あぁ、またな」



今日は不思議な出会いをしたけど、元就お兄さんはいい人だと思う。
だって…。



『あんな顔をしてくれた…。辛そうな…顔を』



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