溺愛☆テンプテーション
□溺愛☆テンプテーション3
2ページ/2ページ
『お兄さん?』
「決めた」
『え?』
何を決めたんだろう?
「そなた、名はなんという?我は毛利元就」
『元就お兄さん?わたしはふり!』
「ふりか。いい名だな」
元就お兄さんがまた頭を優しく撫でる。
撫でるのが好きなのかな?
「ふり、我の養女に来ないか?」
『養女?』
「そうだ」
『お父さんと離れちゃう?』
「そうだが…」
『ふり、お父さんを一人ぼっちに出来ないの。ごめんなさい』
「父しかいないのか?」
『うん、お母さん、もういないの』
「……すまぬ」
元就お兄さんは複雑そうな顔をしていた。
『大丈夫だよ!わたしにはたくさんの人がそばにいるの!元就お兄さんも!』
「ふ、我をいれてくれるか」
『うん!』
「また、会えたらよいな。もう、帰らなければな」
『わかった!バイバイ元就お兄さん!』
「あぁ、またな」
今日は不思議な出会いをしたけど、元就お兄さんはいい人だと思う。
だって…。
『あんな顔をしてくれた…。辛そうな…顔を』
next