届け!この想い!
□届け!この想い!8
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「おぉ、帰ったか」
「「………」」
『ただいま、刑部さま。あら?ひよちゃんとえりかさまはどうなさいました?もしや怪我でも?』
「していないようだが?」
「ヒヒッ、ちとな。怪我ではない。ただ戦を目にしたまでよ」
『あらあら、それは怖かったでしょうに…』
「皎月院…」
「義母上…」
『まぁ』
二人はぎゅっとわたくしに抱きついてきました。
まだ怯えているのか、震えが止まりません。
『死と言うものは辛いです。それに戦場は血の臭いが酷い所です。わかりましたか?』
「「は、い……」」
『お祈りしましょうか。一生懸命戦ってくれた方たちに…感謝を込めて』
「…………」
「相変わらず戦場には似合わぬな」
「…………だからこそ、だ」
「そうか、ソウカ」
泣いたのでしょうか。
二人とも目が真っ赤です。
身を持って戦場というのを体験したからですね。
半兵衛さまはそれを知っていたでしょう。
さて、大阪城に変えるまで二人をもとの元気な明るい女の子に戻しましょうか。