誰 愛
□第九話
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「…なあ、ひなた」
『うん?』
「あー、その…これはさっきの話とは別の頼みなんだけどよ…//」
『うん』
「あっ…と、その前に、ひとつ…訊いてもいいか?//」
『いいよ。何?』
「その、よ…//もし、俺が付き合ってくれって言ったら…どうする?///」
『静雄くんに?…いいよ』
「(どうせダメだろうな)って…いっ、いいのかッ!?///」
『うん。…池袋ならどこでもいいよ』
「はあ?…池袋?」
ひなたの返事に最初は喜んだ静雄だったか、
ひなたが勘違いをしていると気付くと、落胆した。
「いや、違う。…違うんだ。…そうじゃねぇ」
『?…何が違うの?』
「俺が言いたかったのは、その付き合うじゃなくて、だな…」
『うん』
「あ"〜…、う"ぁ〜…。だー!面倒臭ぇ!!」
『ひゃあっ!?』
突然大声を出した静雄に、ひなたは驚いたのか、無意識に肩が跳ねた。
「つまりッ!俺が言ったのは!俺はひなたが好k「おはよう。静雄、ひなたさん」…あ"あ?」
肝心なところでひなたとの話しを遮った人物を。
静雄は怒りを露わにした低い声と共に、殺気を込めた眼で睨んだ。
そこにいた変人な幼なじみと、気の合う友人は…。
一瞬、「自分達は本気で睨み殺されるんじゃないか?」と、肝を冷やした。
「えぇと…、もしかしてお邪魔だったのかな?門田君?」
「もしかしなくてもそうだろ。…だから話しかけるなって言ったんだ。岸谷」
「テメェらよぉ…、死ぬ覚悟はできてんだろうな!あ"あ!?」
怒りのリミッターが既に限界をふり切ったのか…。
静雄は、自分の横に設置されていた道路標識を…雑草のように引っこ抜いていた。
「ぅわあッ!?ちょちょ、ちょっと待ってよ静雄!」
「知るかッ!…テメェらのせいでよぉ…!!」
「空気を読まなかった訳じゃないんだ。ごめんなさい!」
「…って、やっぱワザとかテメェ!!!!」
「落ち着け静雄。…岸谷もだ」
「止めんな門田ぁ!…俺はよぉ、この変人に一発ガツンと言わなきゃならねぇんだよ!!」
「いや!この状況下だと、寧ろ君の持つ標識で殴られた僕の身体がガツンと言ってしまうんじゃないかい!?」