誰 愛

□第十一話
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ひなたと静雄、新羅、門田、臨也が出会ってから…一週間が過ぎた。


池袋の街は相変わらず人混みに埋もれ、5人が通う来神高校も相変わらず…荒れていた。


学校が荒れている原因は、主に静雄と臨也にあるのだが…そこに、一週間前とは違うことがあった。


ひとつは、静雄が喧嘩を売られる回数が圧倒的に減ったこと。


ひとつは、静雄と臨也の喧嘩が、以前よりも過激にならないこと。


ひとつは、来神高校で新たに有名になった存在…神宮寺ひなた。


静雄が喧嘩を売られない時は、決まってひなたが一緒に行動していた。


静雄と臨也の喧嘩が、いつもの殺し合いの喧嘩にならず、口ゲンカ程度で済むのも…ひなたが一緒にいる時だった。


そういうことが何度も起こり、周りの生徒達は思ったのだろう。


ひなたが、来神高校で最も危険だと思われている人物達に…気に入られていると。


自動喧嘩人形と…平和島静雄と、互いに笑顔で話をしている。


裏で怪しい動きをし、教師でも逆らえない情報を持っている…折原臨也とも話す。


以前、告白してきた女子生徒に「君には首から上があるから」と言って断った、変人と名高い…岸谷新羅とも普通に話をする。


普段、学校にいる時は大人しいが、実は相当ヤバい連中と行動していると噂の…門田京平にも普通に接する。


神宮寺ひなたは…危険人物達に気に入られている。


神宮寺ひなたに手を出せば…来神高校どころか、池袋に居られなくなる。


それが、この一週間で新たに有名になった…来神高校の噂だ。



『――…何の話?』

「つまり…今、この来神高校で一番有名なのはひなたさんだってことだよ」



下校中の5人の中に、目を輝かせてひなたに学校の噂を話す新羅の姿があった。


新羅にしてみれば、その噂には自分も関わっているのだから、気になるのは当たり前なのだが…。


その噂の当人であるひなたは、そのことをあまり気にしていなかった。



「新羅…何でその情報をひなたに教えるのかなぁ?」

「おや?駄目だったのかい、臨也?」

「そんな訳の分からない噂の的になったんだ。…神宮寺の気持ちも考えてやれ」

「……………」


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