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□大嫌いな貴方へ(土沖/沖田死ネタ)
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土方さんへ

この手紙を貴方が読んでいるということは、きっと僕は死んでいるのでしょうか。

最後まで近藤さんの為に刀を振るっていたかったけど、それも叶わないみたいです。

土方さん、貴方は僕が羅刹になる事なんて望んで無かったでしょう?

でも、これで良いんです。

最後まで「新選組の剣」で居られたんだから。

だから、土方さんは僕の事なんて気にせずに生きて下さい。

僕の代わりに最後まで見届けて下さい。

貴方は僕よりも羅刹になるのが遅かったんだから

しぶとく生きて、変若水の呪縛を解いて…

土方さん、本当にしぶといししつこいし悪運も強いし。

灰になって死んだりしたら許しませんから。

斬り殺されても、病気で死んでも許しません。



…ねぇ、土方さん

生きて下さい。

僕は貴方が世界一大嫌いで世界一大好きだから

貴方が死んだりしたら許さない。

土方さんも、死んだ僕を許さないでいてくれたら良いなぁ、なんて。

土方さんも、僕の事憎いくらいに好きなら良いなぁ、なんて。

今更考えても仕方無い事ばかり考えてしまって、仕様が無いんです。

…もう、さようならみたいです。

段々日が傾いてきているんです。

もうすぐ、僕達の時間になる。

きっともう限界なんです。

自分の体だから分かります。

土方さん、あの世で会ったら、新選組の事教えて下さいね。

僕が見届けられなかった分、全部。

その時に土方さんは僕の事好きだったかも教えて下さい。

聞くまで気になって生まれ変われないですから。

僕、気は長い方だから、土方さん来るまでいくらでも待ちます。

だから、土方さんはのんびり生きてて下さい。



土方さん、死ぬ前に、貴方に会いたかった。

沖田 総司
 

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