main(薄桜鬼)
□その先にあるものは………(土→?)
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その体はさして抵抗もせず、予想外に簡単に刀に貫かれた。
怯えた顔など少しも見せず、ただ最期の瞬間まで彼の顔を、静かな瞳で見据えていた。
“誰かと結婚させるくらいなら”なんて、独りよがりな彼の愛を
ただ受け入れて許して、微笑みながら…云った。
最期には掠れた声で「愛してる…」なんて言いかけて。
冷えきった体にどんなに呼び掛けても、それ以降声を聞くことは出来ない。
“それでも、これで…俺のもの。”
彼は笑いを浮かべて、目の前の骸に語りかけた。
数年後…
馬上で被弾した彼は、握りしめた小さな骨に、こう呟いた。
“これでやっと…お前に会える。”
狂った愛は、全てを狂わせ
そしてその先にあるものは………