main(薄桜鬼)

□その先にあるものは………(土→?)
1ページ/2ページ

その体はさして抵抗もせず、予想外に簡単に刀に貫かれた。

怯えた顔など少しも見せず、ただ最期の瞬間まで彼の顔を、静かな瞳で見据えていた。

“誰かと結婚させるくらいなら”なんて、独りよがりな彼の愛を

ただ受け入れて許して、微笑みながら…云った。

最期には掠れた声で「愛してる…」なんて言いかけて。

冷えきった体にどんなに呼び掛けても、それ以降声を聞くことは出来ない。

“それでも、これで…俺のもの。”
彼は笑いを浮かべて、目の前の骸に語りかけた。



数年後…

馬上で被弾した彼は、握りしめた小さな骨に、こう呟いた。

“これでやっと…お前に会える。”



狂った愛は、全てを狂わせ
そしてその先にあるものは………
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ