main(銀魂)
□チューリップ(高沖/切甘)
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生臭い臭いの充満した部屋。
幾つも折り重なった死体の上。
俺の体に突き刺さった、彼奴の刀。
「何…で……」
「…この手で…てめぇを殺すのだけは…嫌…だったからなァ……」
「……っ、んなの…俺だって嫌でィ…っ!」
緋色の瞳から涙が零れ落ちる。
「…ずりィ!そうやって俺に罪を残して、自分だけ逝こうなんて…ずるすぎでィ……っっ」
確かにそうだと思い、自嘲じみた苦笑を浮かべ、一言だけ。
「悪ィ…」
「…五月蝿ェ!あんたが死んだ後、俺も逝ってやらァ!!どこまでもつきまとってやるっ!!」
「そいつは…光栄なこった…」
ふと思いだし…
「沖田、知ってるか…?チューリップの花言葉は…『永遠の愛情』だが…、黄色い…チュー…リップ…は…」
そこまで言った時、突如視界が歪んだ。
緋色の綺麗な目が段々遠ざかっていく。
闇夜に、沖田が俺の名を呼ぶ声だけが、悲痛に響き渡った。
―黄色いチューリップの花言葉は『叶わぬ恋』なんだと…