誰がために、何のために

□十一章
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私は朝早くから図書館に来ていた。

まだ開館してからすぐということもあってかあまり人はいない。


私は昔からこの図書館を利用している。
おかげでここの司書である佐藤さんとはちょっとした顔なじみだ。


「あら、絢音ちゃん。今日は随分と早いのね」

「おはようございます、佐藤さん。ちょっと調べものがあって」


適当に挨拶を交わして、私は沢山の本が納められている本棚へと移動する。


ここの図書館は市の中でも特に大きい図書館であり、多くの利用客がいる。

そんな所にトラファルガーさんを連れていけるわけば、同級生に見られる可能性が高い。

だから何冊か本を買ってくることを条件に今回はトラファルガーさんにはお留守番を頼んだ。
渋々頷いてくれた様子だったけど。
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