花束をきみに

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翌日、休みを貰い待ち合わせ場所に向かう。
道を歩きながら前のことを思い出し、泣きそうになる。どうも涙腺が弱ってきてるらしい。

「つい、た…」

1ヶ月ぶりに見る、バーHOMRAだ。中にみんないるのかな。
あの視線に耐えれるかな…。
少しだけ不安になる。
でも、と意を決してドアを開けた。

懐かしい。何度も嗅いだ匂いだ。
実家に帰っている気分になる。
ある程度落ち着きながら、店内を見渡すと誰もいなかった。

「え、時間間違えた?」

慌ててタンマツを取り出そうとしたら、階段を降りてくる足音がした。
鼓動が激しくなる。
息も苦しくなってくるが、深い呼吸をする。

階段から2人が出てきた。
草薙さんと多々良が、酷く優しい笑みを浮かべて。

「おかえり」
「心配したで」

2人の言葉を聞いて、
私は我慢できずに泣き崩れた。
ごめんなさい。
と何度も繰り返しながら。


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