笑顔を失った天使 ィナイレ

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「と、いうことだ」

響さんの話はやはりFFIのことだった

選手全員が嬉しそうな表情を浮かべる

次は必ず一発でイナズマジャパンに入るとか優勝するぞとか

そんな中俺は震えていた

自分でも驚くほどに

ここから始まるんだ

あの日かわしたあいつとの約束が

俺はあの日からつけ続けている右腕に噛められたミサンガに目を移す

青色のミサンガ

それを握り締めると震えは少しおさまった

その様子を見て不動は「大丈夫か?」と声をかけた

「大丈夫」と言いながらも震えている自分に嫌気が差す

チームわけが発表され試合は一週間後だという

一番驚いたことそれは鬼道も不動もいながら俺がキャプテンだということ

何度も響さんに確認した

俺がキャプテン?

あり得ない

「大丈夫だお前なら。俺がついてる」

不動は言いながら軽く肩を叩かれた









「…挨拶って…」

今は河川敷にいる

チームメイトと共に

挨拶しろ

その不動の言葉に対するこの賛成の声

仕方なく前へでる

「…えっと…キャプテン…?になった姫君りおなだよろしく…えっと…」

俺が何を言っていいのかわからず慌てていると不動が出てきて

乱暴に頭をなでみんなの方をむいた

「こんな奴だ。無表情なのは気にするな。大抵心の中は笑ってる。まあ、よろしく頼む」

「ん」

一人の選手が手を上げた

綱海だ

「なんだ?」

不動が答える

「りおなって女子みたいな名前だな」

俺と不動はお互いを見た

不動はいきなり腹を抑えて笑い出した

メンバーは何事かと顔を見合わせる

「まさか…」

気づいた

急に顔が赤くなる

「そういうこと自己紹介しろよ」

「言わなくてもわかるだろう」

不動は咳払いをするとまたみんなの方を見て口を動かす

「こいつについて詳しく教えてやるよ。こいつは女だ」

メンバーはみんな驚きの声をあげた
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