笑顔を失った天使 ィナイレ

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俺?

俺がキャプテン?!

そんなはずない

だってイナズマジャパンのキャプテンは円堂だ

俺のはずがない

「伝えておくべきことは以上だ。なにか質問は?」

無言で手を挙げる

「なんだ」

「俺はキャプテンなんて器じゃありません。この試合はまだよかったものの、世界相手になんて」

「キャプテンはお前だ」

返ってきたのはそのまんまの返事だった

「でもっ「ごちゃごちゃ言うなっ」」

俺の声は工藤さんの声でかき消された

工藤さんの真剣な視線がいたい

工藤さんは「頼んだぞ」と、言い残しその場を後にした

観客席からの歓声が俺を笑っているようだ

メンバーからの視線もいたい

円堂がキャプテンじゃない?

訳が分からない

キャプテンと、いえば円堂だ

その円堂はキャプテンじゃない

試合でみんなを引っ張っていかないといけない

俺にできるのか?

また無意識にミサンガを握りしめていた

ハッとしてミサンガを見る

さっき見たあいつは幻だったのか?

ただ疲れただけか?

それとも…

考えていてもらちがあかない

帰ろう、と扉へ向かった時だ

後ろから声がした

「りおなちゃんは今までどこで練習してたの?」

基山だ

他のメンバーもこっちを見ていた

「どこって…」

不動が慌てて俺の元へ駆け寄った

「無理すんな、答えたくねぇもんは答えなくていい」

「…」

不動は基山のもとへ行くと「悪いな、あいつ今日はいろいろありすぎて混乱してんだ。」と言った

それに対して基山は「わかった」と、言ってこちらに笑顔で手を振ってくれた

反射的に同じように手を振る

さぁ帰ろう

と、この思いは鬼道によって打ち消された

「少し話があるんだが…いいか?」

「あぁ」
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