笑顔を失った天使 ィナイレ

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「いよいよ明日はアジア予選一回戦だ。気を抜くなんてことがないよぅ」

「はいっっ」

みんなの声がグラウンドに響く

キャプテン

キャプテンになってしばらくたった

その間に不動には何度も慰められたら

あのときの病院もそうだし、その後も何か失敗をする旅に励ましてくれた

何よりチームのみんなが俺を歓迎してくれたからここまでキャプテンを続けてる

天気がいい

暑いくらいだ

みんながグラウンドを走り回る

一つのボールを中心として

やっぱサッカーはいいなぁ…

そんなことを考えながら俺もボールの方へ足を向けた







「あ〜疲れたぁ」

「お疲れ様」

倒れ込んだ佐久間にドリンクを渡す

佐久間はありがとうと笑顔をこちらに向けて答えた

「キャプテン大丈夫か?」

「がんばってみようと思ってる」

「そうか」

よかったとでも言いたげな顔だ

やっぱこいつはいい奴だなぁ

「おいっ、さっさと宿舎戻るぞ」

後ろから降りかかってきた声

不動だ

周りをみるとみんなもぅとっくに宿舎へ戻っていた

「その前に」

不動に目で訴える

不動ははぁとため息ついて「わぁってる」とつぶやくと道路の方へ歩き出した

「佐久間も一緒に行こうぜ」

「?あ、あぁ」






ついたのはもちろんマカロンハウス

甘い匂いが鼻を突く

「マカロン?」

「すっげーうまいんだぜ」

からんからんと音を立てて扉を開く

またあのババァだ

「あら、いらっしゃい」

「どうも」

一応挨拶をしてショーケースを覗き込む

うまそぅなマカロンがところ狭しと並んでいる

今日は何にしようか

チョコか?それとも期間限定のバナナか?いやいやここはバニラか?

………………決めた

「バナナ3つ」

「いつもありがとね」

ババァが俺に笑顔を向けた








「人間ってこわいな〜」

バナナマカロン通称バナロンを食べながら宿舎へ向かう

俺の言葉に二人はどうかしたか?

と問いかけた

「あのババァ、いい人の振りしてんだろうなぁ、客に声かけるなんて接客以外に無いだろ?明らかに金のなさそうな俺たちにまで声をかけるんだ店の経営状態でも悪いのか?」

「そぅじゃないだろ」

「あの人は単に話したいだけなんじゃないか?」

「!何のために!?」

「…感謝じゃね〜か?」

「感謝ねぇ〜」

俺はまたバナロンにかぶりついた
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