もう一つの戦い ィナイレ&イナゴ

□第二章
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昨日はあの電話と二人のことが気になってなかなかねむれなかった

ピーンポーン

インターホンのがした

玄関の方だ

まさか…京介

私が立ち上がると晴矢さんが見てくるといってリビングを出て行った

「は〜い…剣城大丈夫かその傷っ」

京介
「大丈夫っすよ…イッ」

間違いない京介だ

帰ってきた

目に涙が浮かんできた

「まだ痛むのかいいから入れ理緒奈がお待ちかねだ」

リビングの扉が開くと私は入ってきた京介を見て驚いた

「京介っその傷…」

「大丈夫だたいしたことない…イッ」

京介の表情に痛みがはしった

「京介っ」

「大丈夫だって」

京介のからだのあちこちにはかすり傷があった

さらに頬は血が出ている私は京介を見て安心したのか目から涙が溢れ出た

「泣くな、俺はちゃんとここにいんだからよぉ」

私は少しうなずいて晴矢さんが渡してくれたハンカチで涙をふいた

「それより…謝んなきゃなんね〜な…由理奈みつけられなかった…わりぃ…」

京介は下を向いてしまった

こんな京介初めてだ

「それは残念だったけどよぉ…てめぇが帰ってきただけでも奇跡じゃね〜か、相手は殺し屋だったんだろ?」

晴矢さんは救急箱を取り出して包帯やら絆創膏やら消毒液やらを出してきた

「そのことなんだけどよぉ…あいつ名前聞いたときに不動明王っつったんだよ」

「不動明王」

晴矢さんが普段は見せない驚いた顔をした

「誰?」

非常識かもしれないけどわからないのだから仕方がない

「イナズマジャパンの一人さ」

晴矢さんが言っているイナズマジャパンというのは十年前全国中学サッカーの世界一になったチームの名前だ

晴矢さんはつづける

「その中でも不動明王は天才ゲームメーカーって呼ばれてた。
俺も韓国代表であいつと戦った…
本当に天才だったよ…当時天才ストライカーって呼ばれてた俺が負けたんだ…
ハンパなかった…
あぁぁ思い出すだけでもはらたつっっ
あいつ俺が喧嘩っ早いの知ってて何回も肩ぶつけやがったんだ」

話が終わる頃には京介の傷の手当てはおわっていた

「その不動明王さんがなんで…」

「そんなことより由理奈をどうやって助け出すかの方が重要だろっ」

京介が目を閉じて腕を組みいつもの姿勢をしてつぶやく

「それなら俺に考えがある」

晴矢さんは何かたくらんでいるような笑顔を見せた

「作戦やらしてくれよ」
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