薄桜鬼 二世の契り
□歴史オタク
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泉での再会から半年。
勘助の住んでいるマンションを教えてもらい、愛鍵をつくったり、デートしたり、あっという間に時間は過ぎた。
「よし。行くぞ」
『行くって?どこに?』
「お前の家にだ。」
『えぇ?!何で?』
「交際のご挨拶だ。将来結婚するのだから善は急げ。とな」
勘助いわく、親の認知を得てから安心して私と旅行したり、お泊まりしたいらしい。
武田の元軍師。道鬼斎と呼ばれ恐れられていた山本勘助は実は真面目だったりして。
私は家族に今から大切な人を連れて行く。
とだけ連絡。
『勘助、緊張してない?』
「ふふん。そんな訳なかろう千年生きぬいておるのだぞ。」
『あぁ、そっか。勘助からしたら私も私の両親も赤ちゃんみたいな歳だもんね』
「……しかし、好きな女の両親に挨拶など、今までで初めてだからな。ヘマはできん」
初めてなんだ。そう思うとちょっと嬉しかった。
そんなこんなで白羽家到着。
『ただいま〜』
「失礼する。」
姉「真奈〜待ってたのよ!あ、こちらが真奈の彼氏さん?今スリッパ持ってくるから待っててね!」
出迎えてくれたのは姉だった。
「………越後の鬼姫に似ているな」
『でしょ?あたしも最初驚いたの!』
姉はスリッパを持ってきた時にジロジロと勘助を見た。
そして、ボソッと
「似てる…………」
とつぶやいた。
『え?何?お姉ちゃん』
「ん?何でもない何でもない!さっ2人とも突っ立ってないで早く中に入ったら?」
姉の後をついてリビングに行く。
母「んまぁ〜あなたが真奈の大切な方なのかしら?イケメンねぇ〜」
父「…………………」
「お母さんお父さん。事前にお話ししておきたい事があって今日は参りました」
母「あら〜?んふふ何かしらぁ?」
父「…………………………」
「真奈さんは………………大分勉強が苦手なようですね…」
『………え?』
父も母もポカンとしている。
「このままでは短大すらも危うい状況でしょう」
『えっ?えっ?』
父「そうなのか?真奈!」
母「やだ!真奈!そんなに?!」
「はい。わたくしはK大学の教授を務めておりますゆえ、受験までの約一年。泊まり込みで勉強を教えて頂きたく参ったのですが…」
母「泊まり込みですか?!」
父「失礼ですが、どのようなご関係ですかな?」
「将来を約束した仲でございますゆえ、心配いりませぬ。」
母「まぁ〜なら安心ね!そうしてもらいましょう!ね、あなた!」
父「……君……名前はなんというのかな?」
「これは失礼つかまつった。山本勘助と申しまする」
父「………勘助さん……真奈を…よろしくお願いします。」
お父さん…………
父「…どうか!どうか短大だけは!」
…………え?
「大丈夫です。お父上。真奈さんを必ずや合格してみせますゆえ。」
父「あぁ、ありがたい。短大卒業したら結婚でもなんでも本人達に任せますから。」
勘助は隠れてニヤッと笑い
「では、勉強合宿は今日からでよろしいですか?」
父「えぇ!もちろんですとも!こら!真奈!何やってる!早く荷造りしなさい!」
『………えっ。あっうん。……』