暇人の二次創作

□体験入部だけだと思っていたら
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 放課後になり、僕は先輩に言われた通りに麻雀部の部室の目の前に来た。

「ここがそうだよな」

 少し緊張するが扉を開けたら

「来たわね」

 先輩が目の前で仁王立ちしていた

「もしかして来た人間に言ってませんかその台詞」

「っ! バレタか!」

「本当に言っていたなんて」

 そう言う会話をしていると

「おっ、男が来たぞこれで三人だ」

 少し老けた男の人が近づいてきた。

「この子は麻雀部に入るそうよ」

「ふっ、そんな事ここに来ている時点で分かってるよ」

 そんな会話が行われているが

「僕は入部希望者ではないんですが」

 その言葉に二人はこけた

「何だと!」

「おかしい、私の勧誘は完璧だったはず」

 この二人のリアクションは異常だ

「なら、体験入部でいいんだよな」

「そうなりますね、部活を覗きに来ただけなんで」

 その言葉に二人は頷き

「なら私たちと打とうじゃないか」

 先輩二人に両腕を掴まれ卓の前まで連れてこられた

「あの、僕は見に来ただけなんですが」

「先輩が誘った試合が出来ないのか」

「出来なければ生徒会に入ってもらうよ」

 何この二人強引すぎる。

「スマンナ、この二人は新人が好きでな許したってな」

 俺の目の前に座っている男の先輩が謝ってくれた。

「はぁ、別にいいですけど」

 この先輩はどうやら普通(・・)の様だ

「それじゃ、東風戦にしようか」

 先輩の言葉に二人が反応する。

「えー半荘がいいよ」

「ホンマやで、半荘してこの子の力を見極めな」

「あのなーお前らみたいな異能な連中はそうそういないわ」

 この二人は思っていた通り特別な(・・・)人の様だ

「そんなにゆーなら東風でええわ」

「親はえーっ名前何だっけ?」

「梅原です」

「梅原君から始めよっか」

 そうして東風戦が始まる。

「ふぅ」

 普通にしたら絶対に入れられるよなどうしようか

「げっ」

 声を出してしまったが仕方がないなぜなら、手牌が聴牌だからだ

「だから嫌なんだ」

 そう言って牌を切る、ダマテンで静かに待機する。

 だが、決してあがらない。

「上家からやな匂いがする」

 隣で牌を切った瞬間に先輩が呟いた。

「また何か匂うんかいな」

 僕の目の前に座っている先輩はそう言いながら牌を切る。

「警戒するんわ、上家だけやあかんよ。」

 この人はデキている

 アガリ牌が来なかったのはいいがここから誰もアガラなければいいのだが

「なら、これしかないか」

 来た牌を河に捨てるが

「リーチ」

 その言葉を宣言するが

「ロン」

 先輩が牌を倒しながら宣言した。

「3200ね」


 やっぱりはっていた。

「はい」

 僕はその指定された点棒を卓に置く。

「おねーさん調子上がってきたわよ」

 先輩の一人のやる気が愕然と上がった。

 この先輩は多分、リーチする時に捨てる牌が自分の当たり牌なのだろう。

 僕はそっと男性の先輩を見て考えた。

 この先輩は匂いで判断すると今はそう思っていた方がいいだろう。

「気にしすぎか」

 小さく呟いてから自分の点を確認する。

「早く終わらせよう」

 そう言った数分後に一人がトンで終わった。

「それにしてもあの追っかけは凄いな梅原」

 僕を入れた先輩二人と話している。

「僕らは打たなくてもいいんですか?」

 ただ今、一年だけが打っている。

「今の一年の実力を測るためのだよ」

 少し老けた先輩、小林先輩が言った。

「男子は俺達三人だからな」

 僕より少し背が低い先輩坂本さんが言った。

「それって、男子の方は部活として認められたないんじゃ人ですか?」

 そう言うとあの人が現れた

「大丈夫よ、男子と女子は合体してるから」

 扇子を出していっていた。

「説明ありがとうございます更識先輩」

 何でこの先輩はここに居るんだ?

「お姉さんは部長さんだからぶらぶらしてるの」

 そんなのでいいのか?

「では、自分は帰りますね」

 鞄を持って帰ろうとしたら。

「帰るのならこの紙に名前をかいて」

 渡されたのは二枚の紙だった。

「はぁ」

 返事をして胸ポケットに入っているペンを取り出し名前を書く。

「これでいいですか」

 書き終わった紙を更識先輩に渡す。

「確かに預かったわ」

 その顔はしてやったりみたいな顔だった。

「改めて麻雀部にようこそ」

 そう、俺が書かされたのは麻雀部と生徒会の入部届だった。

「騙された」

 今は部に入った現実を受け止めるしかなかった。
 

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