暇人の二次創作

□慣れた日常
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 麻雀部と生徒会に強制入部させられ学校に馴れ始めて三週間が経った。

「瑞樹、部活行こうや」

 帰ろうとした僕に声をかけてきたのは江口さんだ。

「分かった」

 帰宅すること諦め麻雀部に行くことにする。

「来たか少年」

 部室に入ると小林さんが待っていた。

「どうも」

 挨拶して中に入ろうとしたら

「瑞樹君は今日は生徒会よ」

 更識先輩に止められた。

「今日、会議に使う資料を纏めておきましたよ」

 鞄から紙の束を渡す。

「コレを一人でやったの」

 先輩は驚いていた。

「まぁ、家では暇ですからこれぐらいはできますよ」

 そう言って荷物をいつもの場所に置いて。

「それでも生徒会室に行った方がいいですか?」

 尋ねると

「これぐらい仕事ができるのなら期待できるわよね」

 そう言って制服の襟をつかんで引っ張ろうとしていた。

「ま、待ってください! 襟を引っ張ると」

 引っ張られて部室の外に行くと。

「また、生徒会」

 二人の女子のうち一人が話しかけてきたが今はそんな余裕がない。

「し、清水谷さん助けて」

 頼んでみたが両手を合わせて

「ごめんな、それはできひん」

 隣に居る園城寺さんはちいさく「ごめんな」と呟いていた。

「不幸だ」

 そのまま連れていかれて会議が終わるまでその場に立たされた。

「今日はこれで帰れるな」

 部室に行こうとしたら

「少しお姉さんの仕事手伝って行ってね」

 肩を凄い力で掴まれて動けない僕に否定はできなかった。

「は、はぁい」

 僕は力のない返事をして数枚の紙に目を通した。

「(この内容なら夜にはならないな)」

 仕事に集中しその作業を没頭した。

「(いいわねこの子、勘で入れたけどこの子なら……)」

 その横でにやけている先輩がいたが気に止める暇はなかった。

 それから三時間集中して仕事を終わらせた。

「ふぅ、終わった」

 一息つこうとしたら後ろから先輩がコーヒーの缶を頬にあててきた。

「もぅ、詰まんない何か反応してよ?」

 といかにもつまらなそうに訴えてくる。

「いきなりされても反応も取れませんしつまらないことをしないでください、僕は仕事が終わったので帰りますね」

 そう言って出口に向かっていく途中に振り向いて。

「そこに資料をまとめたので、コーヒーありがとうございます」

 そう言って部室に向かっていくが外の景色は暗くなっていた。

「すみません」

 時間が時間だったため僕は一応声をかけてから部室のドアに手を掛けた。

「園城寺さん?」

 園城寺さんが一人で牌を拭いていた。

「なにをしてるんですか?」

 つい声をかけてしまった。

「梅原君まだおったんや」

「生徒会長の仕事を手伝ってたから」

 ハハと笑っといた。

「そうなんや、うちは校内ランキング低いからこれぐらいな事しかできひんよ」

「一人で全部やるのは大変だろうから手伝うよ」

「ええよ、うちが勝手にやってる事やから」

「僕は頑張る人を手伝うのが趣味だから」

 そう言って他の台の牌を拭く作業に入る。

「なら、うちらも手伝うで」

 そう言って清水谷さんと江口さんんが入ってきた。

「それとな瑞樹」

 江口さんが僕の名を呼んだ。

「なにかな?」

「俺らのこと名前で呼べ」

「はっ?」

「だからな、名前で呼べクラスも部活も一緒やのに名字で呼ばれるとなんかよそよそしいからな」

 何だか知らないが他の二人もその意見に賛成しているみたいだ。

「そやな」

「そうやね」

 清水谷さんと園城寺さんが賛成してしまった。

「てなわけで名前で呼んでや」

 僕が彼女たちの名前を呼ぶかはまだわからない

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