流水落花


□その二
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リユキは鴆を支えながら、表へ出た。蛇太夫と決着がついたらしいリクオも外へやってきた。



「ごほっ!わりぃ、リユキ。・・・なあ、あいつは誰なんだ?」

「リクオ様、・・・また覚醒なされたのですね」

「な、リクオだって!?」

「よぉ、鴆。この姿で会うのは初めてだな」








「なるほど、四分の一は妖怪だっての
か。・・・情けねぇ、こっちは列記とした妖怪だってのによ。結局足手まといになっちまった」


「なあ、リクオ。今のお前なら正式に継げんじゃないのか、三代目。俺が死ぬ前に、晴れ姿見しちゃあくれねぇか」

「飲むかい」

リクオは持ってきた妖銘酒を盃に注ぐ。

「いいねぇ、俺に酒を注いでくれんのかい。ついでにあんたの盃もくれよ、俺は正式にあんたの下僕になりたい。どーせ死ぬなら、リクオお前と正式に義兄弟にさせてくれ。親の代からじゃねぇ、直接あんたから」


「いいぜ、鴆は弱い妖怪だかんな。俺が守ってやるよ」

「はは、ハッキリ言うな、夜のリクオは」






その様子をリユキと鴉天狗は静かに見守っていた。鴆と盃を交わしていたリクオがふいにリユキの方を振り返った。


「リユキ、久しぶりだな」

「そうね、4年ぶりかしら」

リユキに言いながら、リクオはリユキのもとへと移動した。

「それにしても・・・猩影にくれてやるのは惜しいな」

顎に手を当ててリユキの顔を良く見ようとするリクオ。


「おお、リクオも言うようになったねぇ。それには俺も同意だ」

「鴆、お前にもやんねぇよ」



「・・・何言ってるのよ二人とも」
リユキは静かにリクオの手を払いのけたのだった。
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