流水落花


□その五
1ページ/3ページ


そのころ清十字団は、牛鬼の部下たちに攻撃を仕掛けられていた。






森の中では、リクオが牛頭丸と刀を交えている。
牛頭丸の刀を受け止めながら爪の攻撃をかわすリクオ。
だんだんと追い詰められ、牛頭丸の爪が襲い掛かる。
絶体絶命のリクオに声もでない雪女。

しかし、次の瞬間、地面に伏すのは牛頭丸のほうだった。



「なぜだ・・・・・・、妖怪でもねぇてめぇに・・・・・・」

「血なら流れてる。悪の・・・総大将の血がな・・・・・・」


崩れ落ちる牛頭丸。
あっけに取られている雪女。


「もう大丈夫だ。・・・・知ってたよ、自分の・・・こと・・・。夜、こんな姿になっちまうんだな」











別荘では花開院ゆらが馬頭丸と戦っている。

あてにしていた妖怪セキュリティも効かず、馬頭丸の術により式神ももとの紙にもどってしまった。
為すすべのないゆらたちに、牛の妖怪は容赦なく襲い掛かってくる。

しかし、それよりも早く、空から別の妖怪が降りてきてうしおにを倒していく。
三羽鴉である。


「若は・・・いないのか」

「てめぇら・・・何者だぁー!」

「小僧、自分が誰に口をきいているかわからんのか。ワレらは鴉天狗一族・・・知らぬわけではあるまい」

「カ、カラス天狗!?本家のお目付役・・・なんでここに・・・」

「小僧、てめぇに聞きたいことがある」








捩目山の上空を黒い翼が風を切る。
山頂の牛鬼組屋敷を目指しているのは、黒羽丸とトサカ丸である。

「急げ!!牛頭丸に狙われた若を探すんだ!!それにリユキ様の安否もわからん!」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ