流水落花


□その二十
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ここまで読んでいただきありがとうございます。
実は、区切りがいいので本編はここで一旦切らせていただきたいと思います。
ですが、あまりにも短いため、このあとに「おまけ」を設けました。
よろしかったらお付き合いくださいませ。
管理人、蛍。




おまけ1<リユキ、遠野勢と出会う>

「リクオ〜この人がリクオのねーちゃん?」

「ああ」

「奴良リユキです。遠野の方々ですよね。弟がお世話になりました」

リユキは丁寧に頭を下げた。

「リユキってのかー確かに昼のリクオにそっくりだな。オレはあまのじゃくの淡島」

「オイラーは沼河童の雨造。イメージと違うってーか」

「私は雪女の冷麗。可愛らしい子ね。こっちは座敷童子の紫」

「かわい・・・ケホケホ」

「経立の土彦。厳つくねぇな」

「・・・」

「おい、イタクー。どーした?照れたか」

「っち、うるせーな。・・・鎌鼬のイタクだ」

「あ、の・・・」

リユキは口々に発せられる自分を見た感想に戸惑っている。

「あー姉貴ってどんなやつか聞かれて、昼の俺に似てるとか言ったのにこいつら勝手に想像してたんだ」

リクオがフォローを入れる。

「ギャバババ!リクオはおねーちゃん大好きだって言ってたぜ〜」

「早く会いたいってなー」

「へっ?!」

「あ、おい!そんなこと言ってねーよ!」

リクオが雨造と土彦を追いかける。それを淡島が煽って、咎めながらも冷麗と紫が楽しそうに目で追っていた。
リユキはその光景を見て、遠野で修業をしてきたという弟がしっかり成長しているのだと感じた。

「(リクオなら大丈夫)」

リユキは自分に言い聞かせるように心の中で呟いた。

「やっぱりここの連中は過保護だ」

「え?」

リユキはイタクが呟いた言葉が聞き取れなかった。
すぐ横に立っているイタクを見上げると、イタクは目を逸らしてしまって聞き直すことはできなかった。
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