優、雅。

□第3話『大切な時間』
1ページ/2ページ

 

11月5日。木曜日。

昨日の俺は、雑木林を抜けて、
真っすぐ家に帰った。


俺の家は町の賑わう中心部から少し離れた、
静かなところに建つアパート。

アパート自体が小さく、
2階建てなので部屋は6つ。

部屋はそれぞれ同じ造りで、
6畳くらいの部屋が玄関を入ってすぐにある。

仕切りが無いから玄関を開けると丸見えである。

他に、簡単な台所と、トイレ、風呂、押し入れがあるくらいで部屋は1つだけ。

家具を置いたらかなり狭くなる。


俺以外に住人は大家さんと、女子大学生の2人だけ。

1階は俺が1部屋、
残りの2部屋は女子大学生。
2階は大家さん1人が3部屋全てを使う、という、何とも不思議なことが起きている。


俺の部屋には必要最低限のもの、
テーブルと、タンス、布団、冷蔵庫ぐらいしかないので1部屋で十分である。


家に帰った俺は読書で時間を潰した。


そして、今日を迎えた。

本当なら迎えることができなかった日を迎えた。






. 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ