旋律の刄

□交差する想い
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「リリアーか、可愛い名前だ」
彼女の唇をなぞりまた口付ける今度のは噛み付くような口付けではなく優しい口付け。

「貴方の名は?」
抵抗するのもめんどくさくなりリリアーは大人しくしていた。
めんどくさいのもそうだが彼の側にいるとなんだか安心出来た。


「燕准だ。…名前を…呼んでくれないか?」
燕准が切なそうに悲願してくるからリリアーは彼の名前を呟いた。

「燕准」


「なぁ、お前に触れたい…」
首筋に顔を埋めて耳元で囁く。
そして耳たぶを甘噛みしリリアーの真っ白で陶器の様な肌に紅い痕を付けた。



「あっぁ、…んぅ……これ以上は…ダメ」
服を脱がそうとしてリリアーにとめられた燕准は不満そうな表情をしている。



「ダメなのか?」
「う、うん。まだ会ったばっかりだしダメだよ。…でも燕准の側にいると凄く安心するの」
「そうか、俺もそんな感じする。お前とは初めて会った気がしないしな」
そう言って燕准はリリアーの唇に口付ける。
舌を咥内入れ歯列をなぞり咥内を犯していく。
どんどん深くなってくる口付けにリリアーは気が遠くなるような感覚に陥る。
双眸がトロんと潤ってきた。


「…んっ…ふぅ……」


唇をリリアーから離し自分の胸の中にすっぽりと納めて頭を撫でる。


「…もう、俺は寝るぞ…最近よく眠れなかったんだ…」
そう言って燕准は深い眠りに入った。
規制正しい寝息が聞こえリリアーは目を丸くする。
燕准にがっしりと抱かれていたから身動きがとれないエルファーレは仕方なく眠ることにした。
































ドアがバタンッと開く音がして銀髪に赤い双眸の青年が入ってきてベッドの近くに行き燕准を叩き起こす。



「起きろ燕准っ!!!!!!」

「うるさいぞ永遠…!」

「あんたさ、さっさと業務やってくれる書類とか色々溜まってるんだけど」

「はいはい、暇な日に纏めて片付けるから今はやんねぇよ」

「そう…後今日捕まえた奴はどこ?」

「ここにいるぜ」
燕准は隣で寝ているリリアーを起こして永遠に見せる。


「こ、こいつ…!?なんでこんな所にいるんだよ!!」
人差し指をリリアーに指して永遠は驚いていた。
それ見て何かを考え込むようにリリアーは永遠を見ていた。


「お前ら知り合いなのか?」
「ちょっと顔見知りなだけだよ」
「おまっ!…まあいいさ」
にっこりと燕准に微笑むリリアーを見て永遠はくるりと後ろを向き部屋から出ていこうとする。

「なあ、リリアーここにおいてもいいか?」
「ふんっ!仕方ないからお前をここにおいてやるけど邪魔なことしたらお前追い出すからねっ!!」

バタンッとドアを閉めて出ていった。

「素直にいいよって言えばいいのにな」

「うーん、もともとあんな感じだったし仕方無いと思う。それよりありがとう。燕准、…永遠」
燕准の部分だけ小さく呟き瞳をつぶる。
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