旋律の刄
□欲望
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翌朝リリアーは目を冷まし自分の胸の中にいてまるで赤子のようにすやすやと寝息をたてているヘイブンの茶色の髪を梳く様に撫でキスをする。
彼女は彼が可哀想と思っている。けして伝えられぬ想い。非情なあの人は昔とは変わってしまった。
それを知っているリリアーはあの人にヘイブンを会わせたくなかった。
昔の頼もしいヘイブンはどこかへ行ってしまった気がする。
今の彼はどこか辛そうで頼りない気がする。
だからリリアーはヘイブンをほっとけない。
「…んっ、リリアーちゃん。好きだよ……ちゅ」
彼は起き上がり自身が顔に付けている仮面を取り前髪をかき上げる。
その仕草が妙に色っぽかった。
リリアーの上着に手をかけボタンを外してく。
上着のボタンを全て外し終わってリリアーから上着を脱がしベッドに押し倒す。
「お、お前何するんだ!?」
「何って今からするんだよ」
彼のライトグリーンの瞳に見つめられてリリアーは恥ずかしくて彼をまともに見れなくなった。
「ちゃんと我を見てくれリリアー」
両頬を両手でおさえられ無理矢理ヘイブンの方を向かせられる。
「狡いよ…こういうときだけ真面目になるんだから」
「そう?我は何時もこうだよ…んっ……」
ちゅぅ―――
触れるだけだった口付けが濃厚なキスに変わり咥内に舌をいれ全体を犯される。
脳味噌が溶けてしまうような口付け。
燕准とした口付けとわまた別の口付け。
キスをしている最中にズボンを脱がせていたヘイブンはリリアーの太股を撫でる。
どんどん上に上がっていき下着の上から割れ目をなぞる。
「んっ、……あぁっ……」
「クスッ…感じちゃってかわいいな」
「う、うるさいっ!…触るな…!」
キョトンとした表情をしてリリアーを見つめる。
「えっ、でも交わらないと君のこと守れないよ?」
ヘイブンは自身の手の甲を見せた。
手の甲には紋章が写っており水色だがそれはもう色薄くしっかり見ないと見えない。
「なんで!?薄くなってるの!!」
ヘイブンの手首を掴み激怒した。
「我との繋がりが薄くなったのだよ!」
にっこり笑顔で適当なことを言うリリアーは彼に呆れてため息をつく。
それを見たヘイブンはリリアーの機嫌を取ろうとキスする。
甘い蕩けるようなキス。
「素直に力使いましたって言っても私怒らないわよ?」
上目遣いでヘイブンを見上げる。
その仕草が男心を擽る。
「そういう思わせ振りな態度好きだよ」
細く綺麗な首筋に舌を這わせ痕をつける。
シャツを脱がし胸元にも紅い痕をつけ胸の頂きを舌で転がす。
「…ふぅ…ああっ…!!」
******
二人は抱き合いながらまどろみにとけるようにリリアーは眠り、ヘイブンは彼女の絹のように細い金髪を弄くり遊んでいた。
「これで君を抱いたのは何度目だろ…君を見るとあいつを思い出すよ。顔が残酷なくらいそっくりだからね。…それよりも燕准がこの事知ったら激怒するかな…フフッ楽しみだ」
彼女の首筋についた紅い痕をなぞる。
こんな見える場所につけたのはわざとだった。
他の騎士達もリリアーと交わっていたがヘイブン程ではなかったカウゼルの様に交わらないものもいたがそれでは本来の力が出せなかった。
主を護るためには力がいる。だから彼らは交わるのだ。